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――ガチャ。
も、戻ってきた!
「あ……ててて、哲二……さっきは悪かったわ
柚葉が心配で……視野が狭くなっていたみたい。ごめんなさい」
信じられない……あんなに爆発していた美咲が、素直に謝っているぞ。
一体どんな内容のメールを送ったんだ、哲二。
恐ろしくて聞けない。
『目指すは鏡の森だなっ! お前等さっさと準備しろ!』
「何アンタが仕切ってんの。20GPも上げないわよ」
調子に乗ったポルンは美咲に睨まれ、すごすごと部屋に戻っていった。
「あ、修司からだ」
一斉に送信したらしく、それぞれのPDAが鳴り出した。
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ケジメつけてくる。
今回の剣で、自分が聡ずかしい。
360度心を入れ蛙にはケジメ漬けるしかねー。
だからユズハを見つけるまで、俺は戻らねー。
戸めたってムダだ。
QdAの電源は切る。
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面倒クセーぞ、修司!
誤字するにも程があるだろ。
それに360度、心を入れ替えたら戻っちまうだろが。
「哲二どうする?」
「漢字間違えが五か所でPDAがQDAになってるね」
いや、そういうことじゃなくて。
「冗談だよ。
うーん。ちょっと説教しすぎたかな。
でも、目指す場所は同じだから……ミイラ取りがミイラにならなきゃいいけど」
哲二と話していると、再び三人のPDAがそれぞれの着信音で鳴り出した。
――柚葉からだっ!
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