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どうしよう、皆にバレちゃった。
黙っていたから修ぞうは凄く怒っていたなぁ。
そりゃそうよね。こんな大事なことを黙っていたんだもの。
でも、お父さんを救いたい。
自分勝手かもしれないけれど……。
あの運営のおじさんが、いい人なのか悪い人なのかは分からない。
だけど、お父さんからの伝言だって言っていたし、ジョンの名前も知っていたから。
PDAに保存していた書類を取り出し中から、転位チケットを探す。
これよね。行き先は鏡の森。
少し調べたけれど、一人じゃ怖いな。
見たことがない文字と魔法陣が描かれているチケット。本当に大丈夫かな。
……ミサリンに会いたい。哲じーに相談したい。蓮ちんに守って貰いたいよ。
修ぞう、黙っててごめんね。
悲しくて淋しくて、チョコバーなんか食べる気にもならない。
だけど私は・・・・・・くまさんポシェットからチョコバーを取り出し一気に食べた。
――ダメ。弱気になっちゃダメだよ。
一歩前に出るって決めたじゃない。
モグモグと口を何回も動かして飲み込んだ。
よーし、私やるっ!
手にするチケットを一気に破ると目の前が暗くなり、転送が開始された。
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