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どうやら出口に戻される罠によってスタート地点のここまで転位させられたそうだ。
それとこのネックレスは水の中で息ができるアイテムで、刻まれた数字は死ぬまでの残された時間と言う事らしい。
hが時間、mが分、sが秒だとか言ってやがる。
日本語で書けってんだ。
さらに奴の情報によると、
俺が来る前に、いくつかのチームが通過したらしい。
三人組みのチームは怖そうな風貌(ふうぼう)で、プレイヤーキラーかもしれない可能性から声をかけられず、六人組みのチームには希望を託したそうだ。
最後はたった一人で迷い込んだ男、背中には小型の弓を背負って手にはレイピアを装備したプレイヤー。
まだ誰一人帰ってこないらしい。
こいつに残された時間は約16時間。
「お前も一緒にいくか?」
『ぼ、僕はもういいです。
ムチは洞窟内では思うように振れなくて、足手まといになってしまうので……。
だから洞窟を出て外で待つことにします。
それに、水を飲まないように他のプレイヤーにも伝えます』
なるほど、ってことは俺の槍もやべーのか。
背中の槍を下ろし距離感を確かめる――確かにこれ以上狭くなったら厳しいな。
奴に目を向けると、あと数時間で死ぬかもしれない恐怖で足は震えていた。
「わかった。俺様が必ずクリアしてやっから安心しろ」
……やるしかねぇ。
こいつの命も背負っちまった。
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