ハムラビの塔①

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【シルバー・チェーン】発動。 哲二の左手から銀色の鎖が出現。 美咲の構える剣からは青白いオーラでできた刀身が輝いている。 二人の前に出たオレは鬼丸を抜き構えた。 引きずる音が近づいてくる。 黒い影が次第に形となって姿を現した。 中世の騎士を想像させるような甲冑を身にまとった敵は、重厚な剣を引きずっている。 あんなもん振り上げられるのか? 「僕と美咲さんで左右から撹乱(かくらん)する。蓮はスキをついて正面からっ!」 掛け声と共に左右に散る二人。 正面からくる騎士は重そうな剣を振り上げ様としている。 あんなもの【葉桜】を発動していたって受けれないぞ。 カウンター狙いしかない。奴の攻撃後のスキを狙ってやる。 桜色のオーラが腕を伝わり刀へと注ぎ込まれる。 「――行くぞ、鬼丸っ!」 奴の肩口に神経を集中させ、攻撃軌道を読む。 ――右だ。 巨大な剣が振り下ろされる瞬間、騎士の足元に銀色の鎖が巻き付いた。 よろけながらも奴が剣を振り抜いた為、その軌道が変わる。 「うわっ、あ、危ねっ!」 左から右にほぼ真横に払われた斬撃を、かろうじて飛び越え鬼丸を振り下ろす。 と、同時に左から美咲のグラネルが。 ――ガキィン! ――ギィィィン! 鬼丸は奴の頭部を打ち砕き、美咲の得物は腹部の鎧を破壊していた。 「蓮、まだ動いてる!」 「大丈夫よっ、華姫お願い!」 刺さっているグラネルを伝って赤いツルが這うように騎士へと巻きついていく。 さらに足元からは哲二の鎖が。 完全に身動きの取れなくなった体をオレは鬼丸で真っ二つに砕いた。
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