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あれから数日が経ち、いよいよ先行公開当日となった。当然、学校ではゲームの話題で持ち切りとなっている。
昨晩、修司の長電話に付き合わされたオレは、眠気を我慢できずに机に突っ伏していた。
すると突然、何かで叩かれた衝撃が後頭部に走った。
「――いてっ!?」
顔をあげると、そこに立っていたのは亜麻色のロングヘアーに端正な顔立ち、すらりと伸びた長い脚、そう、学園一の美貌を誇る、西条美咲(さいじょう みさき)。あの西条グループのお嬢様だ。
「鷹山、アンタに頼みがあるの」
「はっ? おまっ! いきなり頭叩いて、人にモノ頼む態度じゃねーだろ」
「――それで、頼みの内容なんだけど」
こいつ聞いちゃいねー。上に立つ人間の風格が既に身についていやがる。
「チームの登録よろしく。アンタ達三人とも私のチームに入るから間違えたら承知(しょうち)しないわよ」
状況が理解できないオレは、後ろを振り向き哲二の顔をみた。
話を聞いていた哲二は首を激しく横に振ったため眼鏡がズレている。
オレは西条に聞き返した。
「チーム登録って3人以上8人までなら自由じゃないのか?」
「そうよ。だから何?」
腕組みをしている西条は、指先で自分の二の腕辺りをトントンとリズムを刻んでいる。心なしかそのスピードがさっきよりも早くなっているような。
「なんで俺達が……」
「私が決めたの。私と柚葉、アンタ達三人で組むのよ」
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