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僕は、告白現場に遭遇していた。
校舎横にある非常階段。
そこは普段誰も通らず、絶好の昼寝場所だ。
そこで僕は何時ものように気持ちよくウトウトしていた。
段々と遠退いていく意識。だが、突然耳に飛び込んで来た声に意識を引き戻された。
「――俺と付き合って下さい!!」
「……ん?」
眠い目を擦って、周りを見渡す。
どうやら声は下から聞こえてきたようだ。
下は裏庭なっている。よくよく考えてみれば人も来ないし、絶好の告白スポットなのだろう。
新しい昼寝場所、探さないといけないかな?
とりあえず、このままでは盗み聞きになってしまう。それは見つかった時に色々とまずいだろう。
そう思って体を起こしかけたのだが、途中でやめた。今までの経験上、今動けば何かやらかしてしまいそうな気がする。
そう、これは不可抗力だ。僕は悪くない。
開き直ってしまえば早かった。
先程から“おいでおいで”と手招きする眠気に抵抗するのを止め、欲望のまま階段に寝転ぶ。
眠る体勢は万全だ。
だが、再び意識がさらわれようとした時。予想外の言葉が聞こえて、目が覚めてしまった。
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