秋空と白雪

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  「私と付き合いたいんだったら、明日雪を降らせてよ」 「は?」  顔も知らない男とハモってしまった。  あ。と口を押さえるが、自分で思ったよりも声は小さかったらしい。  気づかれていないようだ。  まだ眠気は僕を誘っていたが、とりあえず会話に耳を傾けた。 「私が好きなら、明日雪を降らせろ。って言ってるの。出来ないなら、今すぐ消え失せて」 「――っ何だよ雪って、頭おかしいんじゃねーのっ!!」  男の叫んだ声と、土を蹴る音が遠ざかって行く。  負け犬の遠吠えって、こういうのを言うんだろうな……。  そんな事を考えながら、睡眠を欲する体に鞭打って立ち上がる。  秋に雪を降らせろ。なんて言う女の子に、ちょっと興味が沸いたのだ。  見つかるのを覚悟で大胆に下を覗き込むと、どこかで見たような顔があった。  
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