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『もしもし、私メリーさん。今、近所のゴミ捨て場にいるの……』
そう言って電話は切れた。相手はメリーと名乗る非通知設定、声からするにまだ幼い少女だと思われる。
それから10分置きに電話がかかってきた。
『もしもし、私メリーさん。今、〇〇公園にいるの』
『もしもし、私メリーさん。今、近くのコンビニにいるの』
『もしもし、私メリーさん。今、あなたの家の前にいるの』
だんだんと近づいてくるメリーという少女。俺は自室の真ん中で座り、ドアを見張っていた。
『もしもし、私メリーさん。今、あなたの部屋の前にいるの』
ついにすぐそこまでやってきた。そして10分後……。
『もしもし、私メリーさん。今、あなたの後ろに――』
「ゴミ捨て場から来たんだって?」
すぐ後ろで聞こえた声を遮って話しかけた。そして後ろを振り向き、彼女の目をしっかりと見て優しく言った。
「沸かしておいたぜ。風呂、入ってけよ」
『きゅん///』
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