花子さん

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放課後の小学校。   よそ見をしているとすぐ壁にぶつかりそうなほど平行感覚を狂わせるような暗く冷たい廊下を歩く。   そして目的地である女子トイレの前で立ち止まった。   今回の目的は、この女子トイレに何年も引きこもっていると噂の少女に、ある一言を伝えに来たのだ。   緊張と雰囲気からか高まる胸を抑え、トイレへと入っていく。   そして、三番目の鍵のかかった個室にノックをする。   コン…コン…   静まり返るトイレ。そして――   シクシク……ヒック……ヒック……   女の子の泣いているような声が聞こえたのと同時に、体が動かなくなった。恐らく金縛りというやつだろう。   さらに、鍵がかかっていた個室のドアが少しずつ……少しずつ開いてきた。   キィ……   完全に中が見えるようになった三番目の個室。そこにいたのはうずくまってすすり泣いている女の子だった。   「こんな所にずっといたんだね。かわいそうに……」   そう語りかけると、少女は顔だけをコチラに向け、その涙で腫れた目で僕を見た。   そして僕は一番言いたかったことを……彼女に伝える。                       「僕の家へおいで。……お風呂に入れてあげるよ」   『きゅん///』
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