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目覚まし時計の電子音が枕元で響く。
うっすら目を開けると、ブラインドの隙間から、朝陽がいくつもの白い線となって射し込んでいた。
「……朝、か」
掛けていた布団を剥ぎ、俺はむくりと体を起こす。
……また、あの日の夢だ。
立ち上がり、昨日の夜 雑に脱いだシャツにもう一度袖を通しながら、さっきまで見ていた夢を思い返した。
それは実際あった昔の出来事。
今までもたまに 夢になって現れていたので、別に驚く様な事ではないが。
……けど、あの時はあの人、俺の事名前で呼んでなかったんだけどな。
勝手に都合よく美化されていたシーンに、俺は苦笑いしてシャワーに向かった。
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