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昔の京ちゃんを知っているせいか、それはとても大胆な変化にも思える。
あの頃の京ちゃんも年の割にはしっかり者で博識で、幼い私から見れば確かに大人だった。
だけど今改めて思えば、それも大人ぶってただけでやっぱり子どもだったんだよなぁ。
色気なんて勿論、なかった訳だし。
私に下駄を履かせてくれている京ちゃんを見ながらぼんやりと考えていると、
「出来ましたよ」
と、顔を上げた彼とバッチリ目が合った。
「───!」
うわ……!
変な事考えてたから慌てた。
そんな私の頬に、彼の手が伸びる。
その指先だけが、触れた。
「まだ赤い。余程我慢をされていたんですね」
と、京ちゃんは面白がって声を立てて笑う。
違うのに。
でもそれを素直に言えず、
「あはは、頑張り過ぎちゃった」
私はおどけて話を合わせた。
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