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「まだ赤い。余程我慢をされていたんですね」
歳にそぐわないその愛らしさに、自然に手が伸び頬に触れた。
「京ちゃん……」
そう呟いた彼女の手が、彼女の頬を包む俺の手に重なった。
俺を見つめる彼女の瞳は、微かに虹色の光を放ち、潤む。
愛しさと切なさできゅっと結ばれた唇。
そんな顔しないで。
そんな風にせがまれたら、完全制御のリミッターだって壊れる。
“ドウナッテモイイ”って、誤作動し始めるでしょ?
ダメだって分かっているのに……ほらもう、言うこと聞かない。
彼女の頬に触れていた俺の手が、そのまま髪をすきとかしながら後頭部へと滑る。
彼女は少し急かすように。
俺はわざと焦らすように。
しかし、相反しながらも溶け合うみたいに、どちらからともなく顔を寄せた……。
そんな欲望だらけの夢を見た後の、なんたる寝覚めの悪さ。
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