subconsciousの罠(仮)

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脳裏から消えてくれない夢の中の彼女は、都合良く俺しか見えず、俺しか欲してなくて。 恥ずかしい程、俺のドストライクの表情だった。 ああもう、思春期のガキか、俺は。 気が付けば、痛くなる程喉が渇いている。 仕方なく、そして気分を変えようと、俺は調理場まで水を飲みに行くため布団を剥いだ。 弱いオレンジ色の間接照明が所々を照らす廊下を音もなく歩く。 体のリズムに合わない中途半端な睡眠だったのか、欠伸が出るし頭痛もしてきた。 参ったな。早く戻って寝直さないと。 流石にこの時間は杉田も明日の仕込みを終えていて、調理場は暗かった。 記憶した感覚でスイッチを探し当て、明かりを点ける。 そのまま冷蔵庫へ進み、中から500mlのミネラルウォーターのペットボトルを取り出してキャップを外して喉を潤す。 「……」 そこでようやく、今の自分の体調に気付いた。
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