subconsciousの罠(仮)

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この変な間はもしかして? 「俺も普通の人間だからな?」 「……ああ」 そう言えばそうだった、とでもいうニュアンスの反応に、またげんなりする。 それに加え、こんな状態で長く起きていたせいか軽い目眩がしたので、俺はドア枠にそっと体を預けた。 不眠イメージの次は無病か。 杉田の中で、俺は大分機械化が進んでいるようだ。 でも今はこれ以上言い返す気力がない。 それより、 「深雪さん」 俺は未だにノック無しで開けられた時の状態のままの彼女に声を掛けた。 「ヒイッ!すみません、すみません!まさかこのような場面に遭遇しようとは思いもよらず!」 「……いえ、こちらこそお見苦しい所を。もう服着ましたから顔を上げて下さい」 俺がそう言うと、彼女の顔から恐る恐る、ようやく手が離れた。 そして疲労か安堵か、落とされる大きなため息。
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