不運

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月曜の朝礼で、部長の横に背の高い男が立っていた。 笑みを浮かべた、襟足の長い茶髪の男。新しいスーツを着こなし、人当たりの良さそうな態度で周囲に愛想を振り撒いている。 配属された新人が、研修を終えてやって来た。 「篠原、面倒を見てくれ」 白羽の矢が、俺に突き刺さったのに内心で舌打ちをした。 最悪だな。思いながら、俺より少しだけ背の高いそいつの前に向かった。 「篠原だ。よろしく」 「相馬海斗です。よろしくお願いします」
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