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高坂が指定した店は、いわゆるバーだった。
広めの店内は落ち着いていて、ちょっと洒落た感じ。見回して、カウンターの隅に座る高坂を見つけた。
茶系の髪色も、この明るさだと黒く見えるか。グレーのスーツを着ていて、やや背中を丸めながら手元のグラスを暖めている。
その横に腰かけ、ビールを頼んだ。
高坂の手がピクリと震えたのを視界の隅に入れたまま、メニューを受け取る。
「お勧めどれ?」
ビールを出すボーイに尋ね、言われたお勧めを頼んだ。
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