2790人が本棚に入れています
本棚に追加
/212ページ
「お前は、高坂が好きなんじゃないのか?」
冷えた秋の空気に身をすくませながら、野上を見上げた。やはり背が高い。
「野上さんもだろ?」
笑いかけ、それからうつ向いた。
「俺は高校時代から、太一のこと好きだよ」
「…そうか」
「太一、あんな風に幸せそうなの始めてみた。だから…」
野上を見上げる。
「太一が幸せならいいかなって、さ」
野上の眉が跳ね上がり、怒ったような表情を浮かべるのを見つめた。
最初のコメントを投稿しよう!