合鍵

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「シーノ、シノシノシノちゃん、俺のこと好き?」 慣れない仕事に気疲れ。重い体を引きずるように家に帰った俺は、玄関で恋人の田所に抱きつかれた。 合鍵は渡していたから、それは別段不思議な事ではなかった。ただ、田所の後ろのソファー横に、旅行鞄が置かれているのがひどく気になりはしたが。 「岬、ちょっと離れろ」 首に腕を回してベッタリと抱きつく田所を引き離そうとしたら、さらにしがみつかれた。 「シーノ、ただいまのちゅうがまだだよ?」
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