合鍵

13/19
前へ
/212ページ
次へ
浴室を出て服を着る俺に、田所は裸のまま近づいてきた。 「シノ、どうしたの?」 美しい肉体に散った少しのキスマーク。ついさっき俺が付けたその印に、指で触れた。 「岬の事は好きだ。ただ、たまには一人になりたい」 部屋を出て、苛々とささくれだった気持ちが落ち着くまで歩いた。 戻った部屋に田所はいなくて、ローテーブルにメモがあった。 バイト行ってきます。 ほっとしてから、そんな自分に少し嫌気がさした。
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2793人が本棚に入れています
本棚に追加