不覚

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ぼんやり目を覚まして、コーヒーを飲みながら覚醒を待った。 外は風が強いのか、しまい忘れていた靴下が二足、はたはたと揺れていた。 それをしまってから仕度を済ませ、部屋を出れば冷たい風。 だがコートを着るほどではない。そのままアパートを出て最寄り駅に向かった。 一度社に顔を出し、昨夜纏めていた書類やパンフを鞄に詰め込み隣の席を眺めた。 昨夜は仲良く残業を共にした池田。 入口のホワイトボードには、すでに外、と書かれていた。
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