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「本当なの?」
「もちろんですとも。私は嘘など言いません」
胸を張り、彼はそう答えた。
その堂々たる姿勢に、一欠けらの妥協も卑屈に見せる素振りも無い。
「あの穴です。あの穴はお菓子の国と繋がっているのです。お急ぎでしたらこちらをご利用くださいませ」
白ウサギはぴょんぴょんと跳ねて、すぐ先の大きな穴を指差した。
穴の底は見えない。
まぁ別の国と繋がっている程なのだから、底など無くて当たり前なのだが。
赤ずきんは懊悩した。
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