0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなたってアリスの国の人でしょう?まさか私をアリスの国に連れ込もうなんてこと…」
「まさか。現にアリスはもう国に入りましたし、何よりあなたの様にガサツな方を入国させるわけにはいきませんので」
「がさつって…失礼じゃない?」
「嘘は言えない性分ですから。さぁさぁお入りなさいませ」
白ウサギがぐいぐいと背中を押してくる。
頬に手を添えていた赤ずきんはますます困惑した。
このウサギはかなり怪しい。
が、それ以上に、あのアルプスの高峰を越えようとする赤ずきんの命の左右も怪しい。
高峰を女一人で越えるのが不可能だということは火を見るより明らかだ。
最初のコメントを投稿しよう!