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彼女が落ちてきたのは一面砂漠の海。
照り付ける灼熱の陽光のもとに、お菓子の森やお菓子の家など無い。
「…どういうこと?」
辺りを見回した赤ずきんは茫然とした。
記憶違いでなければ、白ウサギは「この穴はお菓子の国と繋がっている」と言った。
虫や生き物の息吹といったものは、これと言って感じられない。
言ってしまえば死んだ砂漠だった。
「お前、まさか。嘘吐きウサギに騙されたのか?」
今度は楽しそうな太い声が聞こえた。
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