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「梨華、明日から毎朝亮輔さんのお弁当を作ってあげなさい」
へっ?
お弁…当…?
「毎朝、お弁当を作ることにも慣れてもらわないと困るからな」
何で神谷くんのお弁当なんか。
でも、やっぱり私には
「分かりました。お父様」
と言うことしかできなくて。
「これで話は終わりだ。あとは、二人で話なさい」
「そうですわね。二人でゆっくり話といいわ」
そう言って、二人は席を立った。
待ってよ。
お願いだから二人きりにしないで。
私はチラッと神谷くんを見た。
すると目が合ってしまい、私は急いで別の方向を見た。
はぁ、なんでこうなるの…?
「まさか、お見合いの相手が神崎だとは思わなかった」
大人のいなくなった空間。
最初に口を開いたのは神谷くん。
私だって。
私だって相手が神谷くんだとは思わなかった。
本当にサイアク。
あのウキウキ感が一瞬で緊張に変わった。
「私も…。お父様からお見合いの相手は御曹司ということしか、聞いてなかったから…」
お父様ば神谷グループ゙とちゃんと言っていた。
だけど、私は何も疑わなかった。
気づかなかった。
「イヤじゃねぇーの?」
「何が………?」
「俺と結婚すること」
「……イヤ。イヤに決まってるでしょ!でも、イヤだと思っても私ばはい゛っていうしかないの!私は……」
お父様に逆らえないから。
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