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翌日、早朝。
僕はベッドの上で薄いタオルケットをはねのけ、眠たい目をこすりぼんやりと天井を見上げていた。
この夏の季節で唯一涼しい時間帯の早朝。小鳥のさえずりが外から聞こえる。
ため息をついて身を起こし、のそりと這うようにしてベッドの端に足を下ろす。それから黒い靴下をはき、学校に行くとき用の皮靴を履いた。
ベッドから立ち、窓際に立ってカーテンを開け、室内を朝日で照らす。
「ん~ん……、最っ高の景色」
僕は大きく伸びをしてから、窓の外に広がる青々とした草原の景色を眺めて嘆息した。
毎朝見ているが、全然飽きないこの景色。日本のように四季のある国なので、季節ごとの景色が楽しみでしょうがない。
いつものように眺めていると、僕の部屋のドアがノックされた。
「起きてるわ~」
そう言うも「失礼致します」と、扉を開けて入ってくるアヤ。こんな早朝なのに、いつも通り身支度が完璧だ。
「おはようございます、アイリスお嬢様。お着替えはよろしいですか?」
アヤの言っている意味は、僕の二度寝防止を含んだ着替えの手伝いなのだろう。がしかし、僕は心は男だ。無理です。耐えられません。
「おはようアヤ。いえ、もう1人で着替えられるわ、大丈夫」
「わかりました。では失礼します」
アヤは一度にっこりと微笑んでから退室した。
僕はほっと一息つく。
木製で立派な模様が扉に彫(ほ)られたクローゼットを開ける。ハンガーに掛けられたドレスなどの衣装の中から、学園の黄色を基調とした緑色の刺繍の入ったブレザーとハンガーに付いた洗濯バサミに吊るされたブロックチェック柄の深緑のプリーツスカートを取り出す。
ハンガーからブレザーとスカートを取り、ハンガーをクローゼットにしまう。それから、クローゼットの下のほうにある棚から白い質素なブラジャーを取り出す。
それらを時間をかけることなく身につけ、新しく買った簡素な勉強机の上に置いてある教科書の入った学生鞄を手にとって部屋を出る。
階下におりて玄関の壁に学生鞄を立てかけ、食堂に向かう。
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