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学校が終わると、すぐさま眞人は走った。まずは共用の掲示板を見に行こう。そこに配られていた勧誘のポスターが貼られているはずだった。そこにいけば、少なくともどこで何の部活動がやっているのかが分かるはずだ。
掲示板の置かれているA棟とB棟を繋ぐ、渡り廊下の二階を目指して走っていると、何やら風紀委員達が、また駆け回っているのをよく見た。
どうやら、また、大変なことが起こっているらしかった。それは風紀委員の横を堂々と走りすぎても注意されないくらいだ。それくらいに忙しそうにしていた。どうやら風紀委員達は探し物をしているようだった。廊下を歩いている生徒を呼び止め、聞き込みをしている者もいる。それはとても大事なものらしかった。
「そっちにあった?」
「いや、こっちにはない」
「じゃあ、俺は向こうを探してみる」
「じゃあ、私はあっちね」
「全く、またアイツの仕業じゃないだろうな」
そんな風紀委員達のやり取りが聞こえてきていた。そんなに探さなきゃいけないほど大事なものって何だろうと眞人はしばし考えてみた。財布とか、テストの答案用紙とか。盗みでも起きたのかもしれない。そんなことを考えているうちに掲示板へと辿り着いた眞人であった。さぁ、どんな部活があるのかなぁと思い、見てみると、何もなかった。
そこにあったはずの掲示物全てが剥がされていた。その代わりに、妙な暗号文が書かれた紙が貼られていた。それは眞人の知らない難しそうな数式だった。それが掲示板全体を覆うようにして、乱雑に貼られている。
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