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「そこに来いということか」
「なに?これ決闘状って奴っすか?しっぶっ」
「どうしますか?殿」
半蔵は、康子に伺うような目線を送った。彼は、先ほどの矢を自らが止めれなかった事を恥じていた。康子はそれを知っている。彼女はうなずいた。
「行くに決まっておるであろう。ワシを狙うものが何者かは分からぬが、これ以上こそこそ逃げ回るのも生に合わん」
「そうっすよっ!虎穴に入らずんば、虎子を得ずっすよ。くっそ!ふざけやがって!殿に矢を向けるなんてゆるせねぇ!!」
直哉が語気を上げた。この血気盛んな若者は、誰よりも喧嘩早く、誰よりも康子を愛している。
「行ってやろうじゃないですか、お供しますよっ!殿!・・んで、丑三つ時って何時っすか?オレ・・朝早いのはちょっと・・」
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