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(…?!)
ただならぬ気配に体が反応する。
確証はないが、明らかに学園に立ち込める空気が変化した。
(これは…学園の結界が破られた?)
悠斗は咄嗟に炎天を消し飛ばした。
どうしようもなかった布羅にとっては、意味がわからない行動だったのだが。
「なんだよ、お情けか?」
「違う、学園の様子がおかしい。感じないか?」
布羅は地面に着地すると、怪訝な表情を浮かべた。
「結界が破られたっぽいな。どこのどいつだ」
フェルマーの塔も消滅させる。
すると、先ほどよりもその異常な空気が増す。
「武藤や駒沢達の結界が倍増してやがる。何かあったに違いねぇ」
それを遮るように、審判の教員が口を挟む。
「試合は一時中断だ…お前らは既に教員に匹敵するレベルだ。各々の判断で動け」
本来ならば、試合を中断して生徒達に気付かれてはならない。
しかし、先ほど通信があったのだ。
───人手が足りない。
と。
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