第一章

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彼は最初中学校の制服姿で球体に触れたのだが、この世界に入ってから服装が変わっていた。 布の服に布のズボン、いかにも安っぽい上下を着た彼は眠っている。 誰かが起こさなければ永遠に眠り続けそうに、安らかに眠っている。 「よいしょっと」 ふと白い世界に可愛らしい声が響いた、そしてその声と同じ様にぬいぐるみは立ち上がる。 ぬいぐるみはてくてくと歩きながらケンの元まで行き、その可愛らしく柔らかそうな手で顔をつついた。 「起きて、起きて」 「‥‥‥ん」 眠たそうに体を起こすケン、寝惚けた目で周りを見回す。 見えるもの全てが白‥いや目の前に謎のぬいぐるみがある。 硬直状態の彼を見て、ぬいぐるみの様なものは自己紹介をし出した。 「僕の名前はポンド、ようこそ白の世界へ!」 「あ、はい?」 何が何だが分からない、ここはどこでコイツは何なんだ‥。 頭の中がこんがらがっているケンをポンドは可愛らしい瞳で見詰める。 ポンドの見た目は子熊に似ている、というかほぼ子熊‥カラフルで可愛い。 するとポンドいきなり床に手を伏せる、突如そこから光と共に巨大な穴が出来た。 「‥何じゃこりゃ」 「さぁ入って!」
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