第一章

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いや展開が早すぎる、もっと説明して貰わないと‥。 とか思いながらも恐る恐る謎の穴を覗く、先が見えないくらい深い‥真っ暗だ。 穴の深さに怯えていると背中に何かが触れた‥、振り向くと後ろにポンドが回り込んでいた。 「行ってらっしゃい!」 「‥え、ちょ!?」 大きさや見た目からしてそんな力はないと思っていたが、結構な力で押された。 目の前にはさっきとはうって変わって真っ黒。 「うああぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 悲鳴が穴の中に響く、しかも落ちるとき頭からまっ逆さまに落ちてしまった。 パニックになりながらもふと落ちていく方向を見ると、微かに出口らしき所から緑色の何かが見えた。 出口が近付いていくるにつれ速度は徐々に加速していく、出口まであと少し。 「うあぁぁぁぁ‥ってかこんな速度で落ちたら死んじゃうじゃん!!」 もう少しで緑色の何かにぶつかる、あんな玉に触るんじゃなかったと遅い後悔をしながらケンは穴から落ちた。 ‥というより飛び出た、さっきまで落ちていたはずなのになぜか上へ打ち上げられている。 目の前には森と青い空が広がっている、そんな別世界で今は森を見下す状態にして空を飛んでいる‥。 だが重力によってか体はまた下に落ちていく、緑で埋め尽くされた森の中に‥。 「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 木の枝が身体中にぶつかる、すごい数の枝が擦り傷を作っていく。 何だか森にぐちゃぐちゃにされている気分、視界がぐるぐる回るが写るのは木の葉と枝だけ。 「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 やっと木の枝地獄から抜け出せたかと思うと地面に尻を強打。 枝で落下速度が落ちたようだが、それでもなかなかの衝撃。 「痛ぇょ~」 尻についた葉や砂をほろい、落ちていた木の枝を杖にして立ち上がる。
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