第一章

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痛めた尻を擦りながら、折れそうな杖に支えてもらい歩いていく。 「‥ったくどこだよここ」 見渡す限りの樹、右も左も似たような感じ‥正に迷路だ。 どこから来たのか、どこに向かって良いのかも分からない。 だが立ち止まるわけにはいかない‥、とりあえず今向いている方向に進む。 歩いても歩いても同じ風景、まさかこんなことになるとは‥。 「くそったれぇ!!」 杖を捨ててやけになって走り出す、このまま野垂れ死ぬわけにはいかない。 木をかき分け道なき道を突き進む。 何度か飛び出た木の根に引っ掛かり転んだが、その度闘争心が湧き走り出せた。 「うりゃあああ!!」 闇雲に走っているとどこからか水の音が聞こえた、ようやく顔に少しだが笑顔が戻る。 もう少しでこんな森ともおさらばだ!‥と足も自然と前に進んでいく。 そして水の音は段々と近付いてくる、目の前に今までとは別の景色が目に入る‥。 「脱出だぁ!」 勢い良く地面を蹴り森を飛び出した、だがその先に足場はなく‥まさかの絶壁。
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