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痛めた尻を擦りながら、折れそうな杖に支えてもらい歩いていく。
「‥ったくどこだよここ」
見渡す限りの樹、右も左も似たような感じ‥正に迷路だ。
どこから来たのか、どこに向かって良いのかも分からない。
だが立ち止まるわけにはいかない‥、とりあえず今向いている方向に進む。
歩いても歩いても同じ風景、まさかこんなことになるとは‥。
「くそったれぇ!!」
杖を捨ててやけになって走り出す、このまま野垂れ死ぬわけにはいかない。
木をかき分け道なき道を突き進む。
何度か飛び出た木の根に引っ掛かり転んだが、その度闘争心が湧き走り出せた。
「うりゃあああ!!」
闇雲に走っているとどこからか水の音が聞こえた、ようやく顔に少しだが笑顔が戻る。
もう少しでこんな森ともおさらばだ!‥と足も自然と前に進んでいく。
そして水の音は段々と近付いてくる、目の前に今までとは別の景色が目に入る‥。
「脱出だぁ!」
勢い良く地面を蹴り森を飛び出した、だがその先に足場はなく‥まさかの絶壁。
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