プロローグ

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教室ではほとんどの人がケンを軽蔑した目で見詰める。 その中の一人に今まで生きてきた中で一番嫌いな奴が居た‥、『塚田ゴウ』金髪のくせして茶髪頭を馬鹿にする学校の番長。 体格が良くて目付きがスゴい、眉毛を剃っていてまさに不良。 「やぁ~ケン君!おはよう!」 そう言って不気味な笑みを浮かべながらゴウは近寄ってきて、ケンの肩に手を掛ける。 朝っぱらからいじめられるのか‥、気分はものすごくブルーだ。 「邪魔だ、どけ」 リュウがケンの肩に掛かっている手を外して、ケンの手を引きながら席に向かった。 ケンが自分の席に座るとリュウも窓側の席に座った。 その行動はかっこ良かったが、ゴウの怒りを買ったに違いない。 案の定彼を睨み付けるゴウ、今にも飛びかかっていきそうだ。 だがそれを防ぐかのようにチャイムが校内に鳴り響き、担任が入ってきた。 「糞野郎が‥」 窓から外を眺めているリュウから目を離さずに自分の席に戻る不良少年、ケンはそんなゴウに怯えながら今日も1日を過ごした。
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