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真ノ助が広間に戻ると、藤吉郎が駆け寄ってきた。
「真ノ助、よう戻ったな。儂はてっきり柴田様に手討ちにされたのかと思うたぞ。」
「俺もそうなるかと思うたが、なんとかお館様のおかげで助かったわ。」
真ノ助の言葉に、藤吉郎は目を丸くした。
「おいおい、もしやお館様がお助けしてくれたのか?」
「まぁ、そうなるな。それで俺は決めたぞ。俺はお館様の槍になる!」
「そりゃすごいな!あのお館様がか。しかし、お前が槍とは面汚しになるだけじゃ、やめとけ、やめとけ。」
まさかの展開に驚いた藤吉郎であったが、真ノ助の発言を聞くや否や、笑いながらそれを否定しはじめた。
「現に、織田家中には天下に名を轟かす柴田様がおるのじゃ。さらには、今は暇に出されとるが前田犬千代様も槍の名人であるし、、、「お館様のおな~り~?」
お館様が現れた事で、藤吉郎は口を閉じすぐさま頭を下げたが、その顔にはまだまだ真ノ助を罵りたいとにじみ出ていた。
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