異戦国伝 天覇の章

天下への道

こうして評定は終わり家臣らが次々と退出していく中、勝家は一人浮かない表情を浮かべている。

(市様が、、やはり一家臣である儂と市様では、、、)

「柴田殿、いかがなされた？」

「おお、し、いや相楽殿でござるか。」

一向に席を立とうとしない勝家を不思議に思い、真ノ助が話しかけたのだ。

「そんな顔をして柴田殿らしくありませぬぞ？」

「いや、ちと考え事をしていてのう。大した事ではないのじゃ。」

(大した事じゃない？
それは嘘だな、目が泳いでおるわ。)

勝家は悟られまいと平静を装ったが、真ノ助はそれをすぐに見抜くと、勝家の正面に座り問いただす。

すると、初めは渋っていた勝家だが、ついに折れたのか話し始めた。