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半刻後、先程の大広間に織田家の家臣が所狭しと並んでいた。
彼らは静かに信長を待っているが、部屋の奥隅にいる二人の若者は周りに聞こえない様に話している。
「この様に重臣だけでなく、我らの様な新参者まで呼ばれるとはかなり重要な事だろう。」
「何言ってんだ。お前見てぇな若造なんかにその様な話するもんか。ぎゃはははは?」
「この野郎馬鹿にしてんのか!藤吉郎、いくらお前でもその言い様は許さぬぞ。」
彼らは今回の評定の内容を考えているようだ。
しかし、周りからはふざけている様にしか見えず、一人の男が立ち上がって彼らの方を向いた。
「貴様ら、いい加減にせんか?!!まもなくお館様がお越しになるというに戯れ言ばかりぬかすでないわ!!」
その男の怒声は大気を震わせる様な咆哮で、若者の一人は身体を震わせながら顔面蒼白となったが、もう一人の方は逆に顔を紅くし勢いよく立ち上がった。
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