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真ノ助が外に出ると、勝家の前で一人の男が頭を下げている。
頭に血が登っている真ノ助でもその人物が誰か一目で理解した。
(丹羽様ではないか。一体何をなさっているのだ。)
「勝家殿、お気持ちは察しますがもうすぐお館様がお越しになります。何卒、今はお戻り下され。勝家殿もお館様の逆鱗に触れますぞ。」
「長秀よ、いくらお主の頼みでもこればかりは聞けぬ!儂に向かってあのような言葉を吐きおって。
奴も猿もこの手で斬り捨てなければ気が済まぬわ!!」
「どうか気をお沈め下さい。今はうちう「申し訳ありませんがどいて下され。」
いきなり話を遮られた長秀は振り返った。
「なんじゃ真ノ助、お主は中に戻っておれ。」
「そのお気持ちはありがたいですが、これは俺とそこにいるじじいの問題です。丹羽様の方こそお戻り下され。」
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