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「お館様、これには訳がございまし「黙れ五郎左!儂は権六に聞いておるのじゃ!!」
長秀はその場を収めようと事情を話そうとしたが、信長に切って捨てられてしまう。
そして勝家が渋々訳を話し始めた。
勝家が話している間、ようやく冷静になった真ノ助は自分のやってしまった事に気付き俯いている。
勝家が話し終えると、信長はおもむろに笑いだした。
「であるか。うむ、権六の気持ちも分からぬでないが、我が家中で貴様にその様な事ができる者がおるか?」
突然の笑いに戸惑いを隠せなかった勝家と長秀は、その言葉でようやく理解した。
「確かに、我らは柴田殿の勇猛さは重々承知しております故、絶対にありえませぬな。」
「儂もこの様な事は初めてじゃ。そう考えるとこの若造は猿とは違い見込みがあるやもしれん。」
三人は口々に今回の一件について、いや真ノ助について話し合っている。
(俺はなんてことを・・・。柴田様にあれだけの事をしてしまったんじゃ。もはや、死罪は免れぬな。)
当の真ノ助はというと、自分の犯した過ちに後悔し、死を覚悟していた。
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