0人が本棚に入れています
本棚に追加
あまりにも突然だった。
僕が大学に受かって一人暮らしを始めてから一週間くらいが過ぎた頃。
まるで宅配便のように彼はやってきた。
「どうも、甲賀治虫(コウガオサム)です」
言うまでもないかも知れないが、甲賀治虫は僕の名前でもある。
「は?」
僕が思いっきり怪訝な顔をしてやると、彼は突然笑い出した。
「いや~、そうだったそうだった。 僕はそんな顔をしたんだったよ」
彼は一人で「うんうん」と頷いてさらに続けた。
「まあ、こんなところもなんだしさ、中に入ってもいいかな」
最初のコメントを投稿しよう!