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唇を固く結んでも漏れる吐息だけが、冷えた石造りの部屋に響く。
…なにこれ…名前…呼んでほしい…
真名を告げたくて仕方がない。
通り名の『サヤ』とは違い、魂につけられた名前である真名を知られれば、一生その相手に仕えなければならない。
その名を呼んでほしいと思ってしまう。
………だめ………ぜったい。
「…だ…めぇ…」
喘ぎ混じりに、言った言葉は、サヤ自身に向けられた言葉だ。
「ふーん………頭も悪くないんだな。ますます気に入ったなぁ。」
無邪気な声音とは反対の意地悪な笑みを浮かべると、サヤの未だ何者も受け入れた事のない秘部へ、つぷりと右手の中指を侵入させた。
「あ……や………いやぁっ!!」
異物感に、嫌悪感どころか気持ちよいとすら感じてしまう。
……いや…だめ…
「嫌なの?すっごい濡れてるけど…。」
キースは心底不思議そうに呟くと、中指をサヤの中に埋めたまま親指で小さな秘芽を撫で始めた。
「!……?!!!…………んぁあっ!」
あまりの刺激に、悲鳴のような矯声をあげる。
初めての異物に痛みを殆ど感じないのは、彼の淫魔としての魔力もさることながら、その優しい手つきのせいでもあった。
「ねぇ………俺の女になっちゃえば?」
耳元でまさに悪魔のささく声が聞こえる。
破魔矢のせいで魔力が落ちているとはいえ、ここまで自分に抵抗できた雌はいない。
…人間のくせに。
「お前がいっちばん 気持ちいーって感じる「形」になれるのって俺だけだぜ。」
言いながら、中指の太さや硬さをぐねぐねと変化させた。
「人間には真似できないって言っただろ?」
「あっ………んあああああっ…」
今にも達してしまいそうな声をあげながらも、必死で正気を保とうとするサヤ。
なんとしても、この雌を征服してやりたい。
サヤの反応がキースの征服欲をかきたてた。
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