2

7/12
前へ
/21ページ
次へ
唇を固く結んでも漏れる吐息だけが、冷えた石造りの部屋に響く。 …なにこれ…名前…呼んでほしい… 真名を告げたくて仕方がない。 通り名の『サヤ』とは違い、魂につけられた名前である真名を知られれば、一生その相手に仕えなければならない。 その名を呼んでほしいと思ってしまう。 ………だめ………ぜったい。 「…だ…めぇ…」 喘ぎ混じりに、言った言葉は、サヤ自身に向けられた言葉だ。 「ふーん………頭も悪くないんだな。ますます気に入ったなぁ。」 無邪気な声音とは反対の意地悪な笑みを浮かべると、サヤの未だ何者も受け入れた事のない秘部へ、つぷりと右手の中指を侵入させた。 「あ……や………いやぁっ!!」 異物感に、嫌悪感どころか気持ちよいとすら感じてしまう。 ……いや…だめ… 「嫌なの?すっごい濡れてるけど…。」 キースは心底不思議そうに呟くと、中指をサヤの中に埋めたまま親指で小さな秘芽を撫で始めた。 「!……?!!!…………んぁあっ!」 あまりの刺激に、悲鳴のような矯声をあげる。 初めての異物に痛みを殆ど感じないのは、彼の淫魔としての魔力もさることながら、その優しい手つきのせいでもあった。 「ねぇ………俺の女になっちゃえば?」 耳元でまさに悪魔のささく声が聞こえる。 破魔矢のせいで魔力が落ちているとはいえ、ここまで自分に抵抗できた雌はいない。 …人間のくせに。 「お前がいっちばん 気持ちいーって感じる「形」になれるのって俺だけだぜ。」 言いながら、中指の太さや硬さをぐねぐねと変化させた。 「人間には真似できないって言っただろ?」 「あっ………んあああああっ…」 今にも達してしまいそうな声をあげながらも、必死で正気を保とうとするサヤ。 なんとしても、この雌を征服してやりたい。 サヤの反応がキースの征服欲をかきたてた。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加