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おしゃべりな魔物は語尾を楽しく笑わせて、翼を広げると、空高く舞い上がる。 「俺、キースって言うんだ。ほんとはもっとカッコいい名前なんだけど、人間が発音できる名前じゃないからなぁ。とりあえずキースって呼べよっ!」 サヤを小脇に抱えたキースはヘラヘラと笑いながら、森を越えてゆく。 視界はまだはっきりとしない。 たぶん自分の放った一矢が狙いを大きくそれて森に飛んでいったとき、偶然そこに姿を現したキースに刺さってしまったのだろう。 それを知った所で、ただでさえ内気で人と話せないサヤは、こんな状況でどう答えたらいいのか分からなかった。 彼の向かっている森の奥は、かなり強い魔物が出現するエリアだ。 「う………う~~~~ん…」 あまり奥地へ行けば、弱いサヤは自力で街には帰れない。なんとかしなければならないとは思っても、先ほどの一撃でサヤはすでに戦闘不能だった。
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