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…ああ、私ここで死ぬんだ。
すっかり諦めたサヤであったが、ビリビリと派手な音を立てて引き裂かれたのは、サヤの衣服だった。
「な………」
千切れた布切れとなった服を両手でつかみ、なんとか体を隠そうとする。
「お前、喰うとこ少なそうだな…」
穴が開くかと思うほど体中を見られると、ただでさえ内気なサヤはただ丸くなることしか出来なかった。
震えるサヤの腕を、キースは強く掴みそのまま立ち上がらせる。
「……ちっちゃくて可愛いな。」
そう呟くと、今度はそっとサヤを持ち上げ、室内へと運ぶ。
埃っぽい絨毯の上にそっと寝かされたサヤは、窓から差し込む月明かりの中でキースの姿が変化していくのを見た。
「………へ?」
戸惑いと驚きのまじったような声をあげる。
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