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今、サヤの手をつかむキースの姿は、人間と変わらない。 小麦色の肌、金色の瞳。 体毛はなく、体格も人間の剣士と変わらない。 唯一、灰色の短髪の中に、小さな耳がぴょんと立っていること以外は。 「お前、強いのに可愛いんだな。」 「…っ!!」 そう言ったキースも、サヤと同じく何も身につけていなかった。 異性の裸など見たこともないサヤは、悲鳴すらあげられない。 「コレ外してくれよ。早くしないと、喰っちまうぞ。」 埃っぽい絨毯の上でキースに押し倒され、サヤは失神寸前であった。 「おい、大丈夫か?強いのか弱いのかよくわかんねぇやつだな。」 状況とは一変してキースは人懐っこく笑う。 牙の位置にある八重歯が月明かりに光った。 ………か…噛みつかれるっ! 今度こそ決死の覚悟で退魔の呪文を唱えようと口を開いた。 しかし次の瞬間サヤの唇から零れたのは呪文ではなかった。 くちゅくちゅ… 「んっ!………んんっ!」 激しく口付けられ、深く舌が入れられる。 自分の唇を塞いでいるのが、そして口内を蠢いているものが何なのか気がついても、無力なサヤでは抗えない。
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