狼と俺

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何人かが掲示板の前におりパーティを組んでいる仲間と相談したり、依頼内容を読んでいるのかじっと眺めていた。 俺も依頼内容を見ようとその中に入って行く。 いきなり言うが俺は断じてチビではない。 だがさすがモンスターを倒すようなギルド員達。 みんな筋肉モリモリマッチョマンで背も俺より高い奴らばかりだ。 …細マッチョや俺より小さい背の奴もいるが重厚な鎧や大剣を担いでいたりする。 え?何が言いたいかって? 「み、見えねぇ。」 172㎝あるはずの俺だが屈強なマッチョ達の壁が立ち阻み、内容を見る事さえ叶わないのだ。 押し退けて見る事も、後ろから眺める事も、彼らを透視して内容を読む事も勿論不可能。 しかもランクの下の依頼はランクの高い報酬額の多い依頼票に追いやられ、見え辛い掲示板の下の隅っこや、下手するとランクの上の依頼票が被さり埋もれてしまっていたりする。 俺の探している依頼なんて一番下のそれこそ小等部の高学年ならお小遣い稼ぎに受け軽々成功するようなレベルの物。 じっくり探さないと見つからないのだ。 がっくりとうな垂れてその場を後にした。 「あぁ、仕方がないけど今日は諦めるしかねぇか…。」 こんなに早く終わるってわかってたら掲示板の空いてる朝見て受けようか悩んだもう一つの依頼票取っとけば良かったなぁ。
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