狼と俺

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本当に町から近い。 町の門番にギルドカードを提示し、門から歩く事3分。 あら不思議! カップラーメンと同じ時間で着きました。 まぁカップラーメンはどうでもいいがそれくらい近いのでよく小等部の遠足やリア充たちのデートスポットなんかに使われます。 危険度ははっきりいってほぼ無い。 RPGをプレイした事がある人なら頑張って死のうとしても死ねないゲームの戦闘操作初めての人の為に作られたチュートリアルの為だけの森って感じだ。(一部例外のRPGもあるだろうが…) そう…ゲームで言えば、スタート地点ですらない。 ここは平和な日本と違って、勉学だけでなく強さや技術を高めたものが上にのし上がるという事が当たり前の世界。 ギルド員や学生はランクを上げ、高みを目指す。 そんな奴らがわざわざランクの低い…それこそモンスターと呼べるようなものもほとんどいない場所にいるのか? 答えは問題外。 というか採取なんて面倒な事モンスターが倒せるようになればみんなやらなくなる。 以上の考えからここに来て採取をするなんて考えついた天才は中々いないだろう。 たとえ見つけても「あっ、こんなところにも○○が生えてるんだ。へぇ。ところでさ…」ってなぐらいにしか思わないからすぐに忘れられる。 つまりよく探すと誰にも採取されてない為に群生している素材や薬草がひょっこり見つかったりするのだ。 それを採取して安全かつ効率的に金を稼ぐ俺って天才すぎだよね! という訳で人工的に作られたハイキングコースの途中から意図して道を外れ、道なき道をひたすら突き進み道を切り拓いていく。 「あっ、枝イテェ!ぶっ!顔面にスパイダーハウスが!」 …といってもはたからみれば一人ごとを呟きながら道のない場所を無理矢理入って行く変人にしか見えないのだが、都合よく自分の世界に入っている彼は気付いてないのだった。
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