狼と俺

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男は、群青の長い髪を緩く一つに束ね、聖職者を思わせる綺麗に整った顔立をしていた。 笑顔を浮かべたその顔は心を許し安心してしまう程の穏やかな優しいものだ。 だがその笑顔が逆に不気味に感じてしまう程の凍てつくような雰囲気を纏っていた。 そしてもっとも恐怖を感じたのがその目だ。 血を印象づける緋色の瞳に身を凍らせるほどの狂気を孕んでいた。 「おや?こんなところに人間ですか?」 緋色に俺が映る。 (やべぇー!!マジで死ぬ!!殺される!!) 目の前の血濡れで横たわる狼が俺のこの後の姿に見えた。 どうしよう… 怖過ぎて色々な穴から漏れそうなんだが…
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