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「何者ですか?まぁ答えたところで行きつく結果は一つですがね。」
「あ、あのお、っ…俺は!」
何か…
なんでもいいからこの場をやりすごさなくちゃ!
しかし目の前に迫る死の恐怖が俺の思考を乱し、口からは言葉になり損ねた息が不規則に、短く何度も吐き出される。
焦燥にみち、何もできない俺に捕食者は恐怖を倍増させながらゆっくりと余裕の笑みを携えながら近づいてくる。
「私、こう見えて気が短いほうでしてね。さっさと片付けてしまいましょう。そのほうがあなたも無駄な恐怖を味合わなくて済むでしょう?」
歩きながらこちらへ迫る男の手に黒いもやようなものが集まりやがて手のひらへと凝集されて、黒い剣が現れる。
フッ、と何もない方向へ剣を軽く振り下ろす。
地面まで切っ先が当たったわけでもないのに黒い閃光が10mほど先まで迸り、地面を深く傷つける。
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