少年と俺

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随分懐かしい夢を見ていたな…。 あの頃はまさか本当に異世界に行くなんて夢でしかなかったのに。 寝起きのぼんやりした頭でそんなことを思い苦笑が漏れた。 何だか身体が少し痛むような気がするが、早く起きてチェックアウトしないと宿の人から煙たがられて次から泊めさせてくれなくなる。 痛くないようになるべくゆっくりと身体をベットから起こした。 「…あれ?ここ宿屋か?」 ここでやっと部屋の中を見渡した俺はそんな疑問を持った。 部屋には本があちらこちらに散乱しており、さらに棚に入りきらなくなった本が積み重なり一部崩れて注意して通らないと踏んでしまいそうだ。 あとはよくわからない杖や硝子器具、水晶玉に薬草、気味の悪いお面や置物…とにかくそういったものが至るところにごちゃごちゃにあった。 …確か以前街の魔法屋を覗いた時にあった気がする。 昨日は魔法屋の倉庫にでも泊めてもらったんだったか?
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