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ふにっ。
頬に柔らかな感触と、包まれるような甘い花のような香りがする。
一瞬時が止まる。
「…早く退いてくれないか?」
「え、あ…、はっ、はい!!」
それが何か理解できなかったが、声が聴こえたことによりはっと我にかえる。
すぐに後ろへ飛び退く。
柔らかかったそれが女性の胸元であった事を理解して顔が真っ赤に染まる。
「ご、ごめんなさい!!!」
「別にいい。気にするな。」
目の前にはナイスバディな女性が無表情にこちらを見ていたが、怒っているような気配もない。
本人は本当に気にしていないらしい。
が、俺はなかなか顔から熱が抜けない。
未だ硬直した俺に気を使ったのか声をかけてくれた。
「身体はもういいのか?」
「えっ、はい。大丈夫です。」
「そうか。」
言葉少なくそう言うとふっ柔らかく微笑んだ。
…美人の微笑みってやばい。
再度俺は石化してしまった。
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