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「はぁ…これからどうするかな?」
数時間後、俺はこの街『カトレア』の中心にある噴水前でため息をいていた。
家に帰ると嘘をつき、拾ってもらったオッサンにお礼を言って、外に出た。
知らない人の家にいつまでもいるのは気が引けるからだ。
なにより混乱した頭を整理する為に一人になりたかった。
…しかしオッサンの家の扉を開け、外を見たら悩みは吹っ飛んだ。
というより何も考えられなくなった。
…明らかに今までいた世界と違う事に気付いたからだ。
ありえない事に意識が飛びそうになる。
しかし後ろで中々外に出ない俺をオッサンが不思議そうに見ている。
ぐっと堪えてオッサンの家を出て歩きだした。
街なのだろう。
レンガでできた家や道。
よく映画にでてくるような馬車が視界を横切る。
擦れ違う人々の服装はロールプレイングに出てきそうな中世ヨーロッパの格好の人や、ハンターゲームに出てきそうな鎧にどでかい剣や弓を持った人や、物凄い露出の激しいまさに下着姿のような女の人など多様だ。
「いらっしゃーい!ラムダの肉が今日は大特価!これを逃す馬鹿はいないよー!」
「奥さん今日はナナカケが新鮮ですよ!」
途中通った市場のような場所では、昼の買い物客と店の人で活気づいていた。
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