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ちらりと店の値札や看板を見れば、なんと日本語とは違うのに読める。
さすがに通貨は『円』ではない。
こればかりは仕方ない。
文字が読める事に少しほっとしながら、市場から離れた。
その後街の広場に辿り着き、ここが『カトレア』という街だと案内板があった。
街の大まかな地図も載っていたので見てみれば、武器屋、魔法屋、はてまたギルドなどゲームでしか見た事がない店名があった。
頬を抓り、夢ではないことも既に確認済み。
ヨロヨロと噴水のへりに座ったのだった。
…たしかに憧れていた。
毎日変わらない日常。
刺激的な事もないまま人生が過ぎていくのは嫌だと思ってた。
携帯小説のファンタジーの主人公のようになりたかった。
でもそれは所詮憧れであって現実になってほしいとは望んでいなかったのに。
どうやら異世界トリップをしたと認めざるをえなかった。
とりあえず
「腹減ったなぁ…。」
教会の鐘が12時を告げていた。
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